事故の直後がいちばん危ない
交通事故が起きると、たいていは車の損傷や過失のことが先に気になります。けれども実際にいちばん危険なのは、事故の直後に道路の上にとどまっている時間です。後続の車が事故現場に気づくのが遅れて突っ込む二次事故は、最初の事故よりはるかに大きな被害を生むこともあり、とくに高速道路や夜間、カーブで危険です。だから事故対応の順番は、車を守ることではなく、人を守ることから始まります。この記事は事故直後の一般的な対応の順番をまとめたもので、実際の場面では警察や救急隊の指示を優先してください。
第一段階: 止まって知らせる
事故が起きたら、まず車を止め、ハザードランプをつけて後ろの車に状況を知らせます。車が動けて軽い事故なら、写真を撮ってから路肩や安全な場所へ移すほうが二次事故を減らせます。車が動かない、あるいはけが人がいる場合は無理に動かさず、まず人が安全な場所へ逃げることが先です。夜間や視界が悪いときは、停止表示器材や発炎筒を車の後方の十分離れた場所に置き、後続車が早めに気づけるようにします。ただし車が速く走る道路では、表示器材を置きに歩くこと自体が危険なこともあるので、周りの状況を見て判断してください。
- ハザードランプをつける
- 軽い事故は写真を撮って安全な場所へ移す
- 動けないときはまず人が避難する
- 可能なら車の後方遠くに表示器材を置く
第二段階: 人を安全な場所へ
高速道路や自動車専用道路では、車内にとどまったり、車と車の間に立ったりしてはいけません。同乗者と一緒にガードレールの外や路肩の外の安全な場所へ移ってから通報してください。相手の運転者と道路の上で言い争うのもとても危険です。車の外に出るときは後ろから来る車を確かめ、車の流れと反対側のドアから降りるのが安全です。子どもや高齢者を先に避難させ、夜は明るい色の服やスマートフォンの明かりで自分の位置を知らせると助けになります。
第三段階: けが人の確認と通報
けが人がいれば、すぐに119へ連絡します。意識がない人や、首や腰を痛めたようすの人は、火が出るなど危険な状況でなければむやみに動かさず、救急隊の指示に従ってください。出血があれば清潔な布で押さえて止血します。人がけがをした事故は警察にも届け出る必要があり、けが人を残して現場を離れると、法的に重い責任を問われることがあります。通報では位置を正確に伝えることが大切なので、道路の名前、方向、近くの標識や距離標の番号を確かめましょう。軽い事故でも相手ともめたら、112に連絡して助けを求められます。
第四段階: 現場を記録する
車を動かす前に、できれば写真や動画で現場を残してください。事故直後の車の位置と角度は、過失を判断するうえで大事な根拠になります。遠くから二台の車と道路全体が入るように、近くからぶつかった部分が見えるように、そして車線や信号、道路標識が見えるように、いくつもの角度で撮ります。相手の車のナンバープレートも撮っておきましょう。ドライブレコーダーがあれば、事故の映像が上書きされないようすぐに別に保存します。周りに目撃者がいれば、連絡先を聞いておくとあとで役立ちます。
- 遠くから二台の車と道路全体
- 近くからぶつかった部分
- 車線・信号・道路標識
- 相手の車のナンバープレート
- ドライブレコーダーの映像を別に保存
第五段階: 情報を交換して保険に連絡
相手の運転者とは、名前、連絡先、車のナンバー、加入している保険会社を交換します。運転免許証と車の登録情報も確かめておくとよいでしょう。そのあと、それぞれが保険会社に事故を連絡すると、担当者が手続きを案内してくれます。現場で過失の割合を口約束で決めたり、非を認める念書を書いたりするのは避けたほうがよいでしょう。感情が高ぶった状態でした約束が、あとで不利に働くことがあるからです。過失は保険会社が記録や映像をもとに判断し、意見が違うときは保険会社を通じて調整できます。
事故のあと数日の間にすること
事故の直後は緊張で痛みを感じにくく、一、二日たってから首や腰が痛み出すことがよくあります。けががないように見えても医療機関で診察を受けておけば、体の状態を確かめられ、記録も残せます。修理は保険会社と相談しながら進め、修理の明細や領収書、診療の記録はすべて保管してください。事故のあと運転が怖い、不安が長く続くという場合は、一人で我慢せず、周りの人や専門家の助けを借りるのも一つの方法です。
前もって準備しておきたいこと
事故は前触れなく起こるので、ふだんから準備しておけば慌てることがぐっと減ります。保険会社のロードサービスと事故受付の番号をスマートフォンに登録しておきましょう。トランクに停止表示器材があるか、非常用の懐中電灯が点くかもときどき確かめます。ドライブレコーダーを使っているなら、記録媒体が正常に録画しているか点検してください。この記事は一般的な対応の順番を説明したもので、法律上の助言ではありません。具体的な法的義務や罰則、過失の判断基準は警察や保険会社、法律の専門家の案内に従い、緊急のときはためらわずに119へ連絡してください。
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